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【労働 制度解説】副業・兼業ガイドライン(1)

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【労働 制度解説】副業・兼業ガイドライン(1)

【労働 制度解説】副業・兼業ガイドライン(1)

2022/05/05

【労働 制度解説】副業・兼業ガイドライン(1)

ガイドラインの簡単な解説

1.はじめに

2017年3月に働き方改革実行計画が策定されて以降、労働契約法制や労働時間法制をはじめとして、多くの法律が改正され、日本の労働法は新しい局面を迎えているといえます。

これに連動して、労働者・使用者の側でも、パラレルワークが普及してくるなどにより、これまで労働法制が想定していた、1社から長期間使用されて、法定労働時間に近い時間を働くというモデル以外の働き方が増えています。

そのような流れの中で、厚生労働省は、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定しています。

今回は、この文書について簡単に解説していきます。3回程度続く予定です。

2.ガイドラインの概要

このガイドラインは、平成30年1月に策定され、令和2年9月に改訂されたものであり、副業・兼業に関する現状の分析から、副業・兼業が増えた場合の企業の対応についての解説、労働者の対応についての解説及び周辺制度の解説がされています。

そして、中心となるのは企業の対応についての解説です。企業についての解説は、労働法に関する一定の理解を求める内容ですので、この記事で解説していきたいと考えています。

3.副業・兼業の現状等について

(1)副業・兼業の現状

ガイドラインは、副業・兼業の現状として、

・副業・兼業を希望する者が年々増加傾向であり

・副業・兼業の形態も正社員、パート・アルバイト、会社役員、企業による自営業主等さまざまである

としています。

これらの言及のうち、「副業・兼業を希望する者が年々増加傾向である」という点については、これを裏付けるデータが提示されているわけではありませんが、SNSなどで発信される情報を見ていると、確かにそのような考え方が増えているということは感じられます。

また、副業・兼業の形態がさまざまであることは、いうなれば当然のことです。

次に、企業が副業・兼業を制限することができる場合について、裁判例で示された例をいくつか挙げて、企業が副業・兼業を制限することができるのは例外的な場合であると説明しています。

すなわち、副業・兼業は、原則として企業からは許容されるものであることが説明されているのです。

(2)副業・兼業のメリット・デメリット

ガイドラインにおいては、副業・兼業には、労働者と企業それぞれにメリットと留意点があるとしています。

いくつか挙げられていますが、労働者のメリットとしては、

・離職せずとも別の仕事につくことが可能となり、スキルや経験を得ることで、労働者が主体的にキャリアを形成することができる

・本業の所得を活かして、自分がやりたいことに挑戦でき、自己実現を追求することができる

とされている一方、留意点として、

・就業時間が長くなる可能性がある為、労働者自身による就業時間や健康の管理も一定程度必要である

・職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務を意識することが必要である

とされています。いくら副業・兼業で自己実現を行ったとしても、健康を害しては元も子もないですし、本業がおろそかになってしまっては、本業での所得増加が見込めませんし、最悪の場合は業績不良で降格・解雇などもあり得るといえます。

他方、企業のメリットとしては、

・労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる

などの労働者の成長に関する説明に力点が置かれています。

そして、留意点として

・就業時間の把握・管理や健康管理への対応、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務をどう確保するかという懸念への対応が必要である

とされており、この点に企業の対応すべき内容が集約されているといえます。

そのうえで、ガイドラインにおいては、副業・兼業が促進されるよい影響が述べられていますが、長時間労働にならないよう行われること、労働基準法の労働時間規制やそのほか安全衛生規制等を潜脱するような形態で行われる副業・兼業は認められないこと、違法な偽装請負なども認められないことが指摘されています。

短い文面で、懸念すべき事項が的確に挙げられているといえるでしょう。

4.まとめ

次回以降も、上記のガイドラインの解説を行っていきます。

労務管理に対する法規制は年々改正されることがありますので、法律相談についても改正にキャッチアップしている専門家にご相談されることをお勧めします。(法務パートナー)(労働問題)(法務受託

 

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